ブログをブロックする
ブログを報告する
四十一歳。会社を経営している。東京で生まれ、今は海の向こうに住んでいる。肩書きだけを見れば、順風満帆に見えるだろう。でも、海を渡った人間は知っている。成功とは、どれだけ手に入れたかではなく、どれだけ手放せるかだということを。二十代の頃、私はとにかく前に進むことだけを考えていた。立ち止まることは負けだとさえ思っていた。三十代、会社を興し、走り続けた。気づけば、国をまたいでいた。海の向こうの生活は、静かだ。日本のように、電車が定刻に来るわけでもない。会議が予定通りに終わるわけでもない。でも、その不確かさが、私を強くした。言葉も、文化も、常識も違う。だからこそ、自分の軸が試される。何を譲り、何を譲らないか。それが、経営者の仕事だ。時々、東京の空を思い出す。夕暮れの色。雨の匂い。コンビニの光。そういう小さなものが、遠くにいるからこそ、鮮やかに残っている。私は、故郷を捨てたわけではない。故郷を胸に携えて、別の場所で生きることを選んだ。それだけのことだ。四十一年生きて、ようやく分かってきたことがある。強い人間とは、感情がない人間ではない。感情を持ちながら、それに飲み込まれない人間だ。経営も、人生も、同じだと思う。今夜も、海の向こうから、静かに東京を思う。戻るべき場所があるから、前に進める。そういう生き方も、悪くない。
テーマ: ブログ
アメンバーになると、アメンバー記事が読めるようになります